RYUKAミニ講座5:ストレスマネジメントのすすめ(2)

過剰なストレス

私たちは生きている限り、常に何らかのストレスにさらされています。その人にとって適度のストレスは、いきいきと暮らしていくための刺激や活力となります。しかし、過剰なストレスを受けている場合には、感情が激変したり、身体にいろいろな症状が現れたり、行動様式に変化が生じることになります。
過剰なストレスを受けている時、人は精神面、身体面、行動面に異常なサインがあらわれます。したがって、このサインを的確に捉え、早期に対応することが重要となるのです。自分に起こっているストレス反応に気づくには、どのようなことに注意しておけばよいのでしょうか。

ストレス反応への予防策

まず、あなた自身が何に対してストレスを感じるのか、普段から知っておくことです。
同じようなことに直面しても、それをストレスと感じる人と、平気な人がいます。そこには、その出来事を過剰なストレッサーと捉えるか否かの評価の違いがあるのです。自分がどのようなことをストレスと感じるのか、予め知っておくことはストレスを避けるための予防策となります。
もうひとつ、大事なことがあります。それは、その人がどれだけストレスに強いかというストレス耐性の度合いです。ストレス耐性とは、ストレッサーからその人を守る、いわば緩衝帯(バッファー)のような働きを担っており、それが強いほど、ストレッサーをはじき返すことができるのです。

自分のストレス耐性を知る

ストレスを避けるにしろ、立ち向かうにしろ、自分のストレス耐性をある程度知っておくことは、適切な対応をしていくうえで重要なポイントになるといえます。たとえば、実際よりも自分のストレス耐性は強いと思い込んでいる人が、無自覚に仕事をどんとん引き受けていると、急に過労に襲われて倒れたり、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥ったりしかねません。
一方、自らのストレス耐性を過小に捉えている人は、何事にも萎縮してしまいがちで、自分の可能性を不合理に限定してしまうかもしれません。場合によっては、ちょっとした体調の変化を過大に受けとめ、ますますストレスを高めてしまうこともありえます。

ストレス・コーピングとは

ストレス反応を低減する、あるいは現状よりも増大することを防ぐ行動のことをストレス・コーピングといいます。「対処」(cooping)と訳されることもあります。ストレス・コーピングとはまた、ストレス耐性を強化するための行動でもあるといえます。

次回は、ストレス・コーピングの考え方に基づき、過剰なストレス状態をコントロールするための具体的な方法について述べたいと思います。

ネアカのびのび通信

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