Catch Up YUHO / vol.02 島本哲也さん

はじめるのに「遅すぎる」ことはない(前編)

vol.02(前編)
鮨 島本
店主 島本哲也さん(商学部流通学科 1997年卒)

時代とともに変化する仕事のスタイル

画像流通科学大学を卒業後、建設業界に進みましたが、いつかはお店をやってみたいという気持ちがありました。そんなモヤモヤとした思いに耐えられず、25歳の時に思い立って会社を辞めて寿司の世界へ飛び込んだんです。給料は半分以下、先輩が年下という環境で、ネギ一つ切れない状況からのスタートでした。

それでもコツコツと3年修行し、店を移って2年働きました。さらにホテルオークラ神戸の「はま磯」へ移って、その半年後に料理長となり6年間務めて、2016年4月に「鮨 島本」をオープン、独立していまに至ります。

寿司職人というと毎朝早くから市場へ仕入れに出かけるというイメージですが、実はIT化が進んだいまはそういうスタイルじゃないんです。日本中の信頼できる業者さんからLINEで「こんないい魚があるよ」とか「こんな珍しいのが入荷したよ」という情報が画像付きで送られてくるんです。それを見て朝発注すると昼すぎには新鮮なままお店に届くんです。ですから仕入れは市場からではなく、全国の産地や、全国の良いものが集まる築地(豊洲)からの直送がほとんどなんです。

僕は伝統の技術を大切にしつつも、そこに自分でアレンジを加えて他店とは少し違うお寿司を提供しています。魚をそのまま生で出さず、全部何らかの手を加えていますが、この差別化もひとつの戦略ですし、手間をかけて、一貫ずつ「料理」として完成したものを召し上がっていただきたいんですよ。「そんなことまでする?」というお客さんもいらっしゃいますが、僕自身が納得するまで手を抜かずに、とことん「料理」を突き詰めます。

それは接客も同じで、常にお客様を観察し、会話からも何を求めているか洞察します。これはある意味、マーケティングリサーチですね。

~後編に続く~

Infomation

鮨 島本鮨 島本
〒651-0011
神戸市中央区下山手通3丁目7-9
078-335-2322
[昼]11:30-14:00
[夜]17:30-22:00
水曜定休